音楽アーティストのジャンルは増えているのか?

音楽と一口にいっても、さまざまなジャンルがあります。ロックにポップス、クラシックなど演奏方法やメロディによってジャンルは細分化されているのです。伝統のあるジャンルも多いですが、近年になって登場したものも多く存在します。しかし新しいジャンルもよく聴いてみると、他のジャンルとあまり変わらないケースも少なくありません。それには2つの理由が存在します。

1つ目の理由は音楽アーティストは、クリエイティブな人が多いことです。もちろん昔ながらの作品を演奏する音楽アーティストも多くいますが、新しい楽曲を生み出すことに意欲を見せる人も大勢います。そのような人たちは自分の楽曲をこれまでの作品と区別するために、自分の音楽に新しいジャンル名を付けようとするケースがあるのです。たとえば派手な化粧をしてロックを演奏していても、ビジュアル系と一括りにされるのを嫌がるバンドも存在します。

逆に音楽アーティストは従来のジャンルを演奏しているつもりでも、メディアや所属事務所が勝手に新しいジャンル名を付ける場合も多いです。これは宣伝のためであり、本当に新しいジャンルが生まれたわけではありません。宣伝とは関係なく、ファンが自分の敬愛する音楽アーティストを差別化するために名付けるケースも見受けられます。このように実質的にはジャンルは変わっていないケースがほとんどです。

2つ目の理由は音楽に使えるメロディや歌詞は有限であることです。言葉の数に限りがあるのと同じと言えます。そのため音楽の歴史が長くなるほど、過去の作品と似てしまうことが増えるのです。その結果、完全なオリジナルの楽曲のつもりで発表しても、盗作と言われて騒がれてしまう事例がよく起こっています。音楽アーティストにとっては、非常に活動しにくい時代になったといえるでしょう。オリジナルの楽曲ではなく過去の楽曲をカバーする人が増えてきたことも、この事実に関係していると考えられます。