有名映画に欠かせない音楽アーティスト

映画全盛と言われた時代から現代に至るまで、実際に映画の内容を知らなくても、タイトルを聞いただけでテーマ曲が思い浮かべられるような作品を、誰しも幾つかは思い浮かべることができるはずです。そういった作品は、映画自体が持つ魅力が大きいのは当然として、テーマ曲そのものにも力強い求心力が備わっています。中には、一定の周期で大ヒットとなる映画の作曲に、必ずと言っていいほど携わっている音楽アーティストも存在し、映画のヒットと共にテレビ番組などで曲の冒頭が繰り返し流されて、時が経った時、その曲を再び耳にすることによって、映画が上映されていた頃の空気感や当時の自分の状況などの記憶が、鮮烈に呼び起こされます。映画の内容はおぼろげにしか思い出せなくても、テーマ曲の冒頭が脳内に鳴り響き、しばらくその曲に浸りながら、過去のあれこれを振り返ることができるというのは、音楽そのものが持つ力で、それを世に送り出した音楽アーティストの手腕と言えます。何十年も前に大ヒットした映画の中には、今も新たなシリーズが製作・上映され続けているものもあり、第一作当時のテーマ曲がそのままシリーズ全編のオープニングタイトルとして流れ続けているものもあり、決して古びない普遍性を持つ曲であることが、証明される形となっています。

そういった映画音楽の中には、クラシックの楽曲を聞き慣れている人にとっては、幾つかの名曲と似たメロディーを感じ取り、インスパイアというよりは、パロディー的な要素を感じさせるという点が取り沙汰されることもあります。とは言え、そういった本歌取りのような手法は、クラシック音楽の世界でも既に行われており、映画を盛り上げるための曲の一部として使われるのは、当然と言える面もあります。宗教音楽として美しい旋律が磨かれた古典クラシックを経て、オペラ全盛の時代には、音楽は既に物語を盛り上げる要素の一つにもなっており、その点からも、映画のテーマ曲やBGMを作曲する音楽アーティストは、音楽の歴史を次世代へと繋ぎ続けて行く、正統な継承者たちと考えられます。