沖縄が生んだ音楽アーティストBegin

沖縄にルーツを持ち、今もなお活躍する音楽アーティストと言えばBeginでしょう。Beginはブルースを主体とした楽曲を多く手掛け、聴く人の心に響きます。また、沖縄の三線を使うことも多く、ブルースと沖縄音楽を融合させた第一人者と言ってもいいでしょう。沖縄県石垣島出身のメンバーでBeginは構成されており、学校の音楽祭にも出場しました。ボーカルの比嘉は、音楽祭で歌を披露した時、第一声の音が生き物のように壁にはね返り自分に戻ってきた感覚がしたそうです。この時に歌う楽しさや音楽の良さを改めて認識し、音楽の道で生きていくことを決意しました。

しかし、現在の活躍に至るまでは多くの苦労もしてきました。幼馴染3人でBeginは結成されましたが、上京した時はまだ売れず、アルバイトの日々でした。まだ沖縄に対する差別が色濃く、アルバイト中に心無い言葉を浴びせられたこともあるとボーカルの比嘉は述懐しています。

転機が訪れたのは、1989年のとある音楽番組でした。アマチュアのバンドが出場するテレビ番組で、観ていた人の心を一気につかんだのです。そこで歌った曲は『恋しくて』など、Beginを代表する曲でした。審査員の人もただただ聴き入る様子が映っています。その後メジャーデビューを果たし、多くの名曲を生み出しました。有名な楽曲は『涙そうそう』です。夏川りみや森山直子に提供したこの曲は、今でも色褪せることはありません。

『島人ぬ宝』は沖縄の情景が目に浮かぶような歌詞とメロディで現在では教育現場でも歌われることもあり、大人から子どもまで知っている曲です。『オジー自慢のオリオンビール』は沖縄のおおらかな県民性が分かるような歌詞で、非常にノリが良く親しみやすい曲です。カラオケでも定番の曲となっています。Beginの活躍により、沖縄県出身の音楽アーティストに大きな影響を与え、次々とメジャーデビューを果たすようになりました。