時代から見る音楽アーティストの演奏形態

戦前のミュージシャンの多くは町から町へと放浪しながら、路上や酒場で演奏して日銭を稼いで生計を立てていました。地域によって異なりますが、遊牧民の中には音楽的に非常に優れた才能を持った人たちもたくさんいて、歌や踊りや楽器演奏などを主として生活の糧を得ることも珍しくありませんでした。

この時代の音楽アーティストは天才と呼ばれた人もいますが、日常生活に問題のある人がほとんどでした。

 

約束を破るのは朝飯前で時間を守ったこともなく、食べ物やお金のことには細かく一日の大半は酔っぱらっているという生活をする人でも、なぜか音楽には真摯に向き合うというある意味で非常に芸術家志向の高い人が多いのもこの時代です。

戦前では様々な実験的要素を含んだ音楽をジャズと呼んでおり、音楽アーティストはこの範疇で様々な楽曲を演奏したり作曲していました。この時代の名演はいまだに語り継がれ聴き続けられています。戦後普及したエレキギターはギタリストの表現力を文字通り増幅した楽器となり、多くのギタリストがさまざまなアプローチで過激な演奏を繰り広げていき、ブルースのリズムで演奏されるアップテンポの曲がのちのロックへと発展していきます。

 

ジャズはさらに表現力を増したギタープレイヤーを排出し、単一的な表現を好まない若いプレイヤーたちは積極的にロックの手法をと入れたジャズを繰り広げていきます。これがのちのクロスオーバーミュージックの基礎となり、フュージョンへと発展していきます。特筆すべきはいずれの音楽もロックミュージシャンからのアプローチから派生していったジャンルです。

戦前のスタイルは確立したものではありませんでしたが、ジャズやブルースのもとになる要素を内包しており、研ぎ澄まされた部分が毛内へと受け継がれています。ほとんどはリズとして受け継がれていき、ギターであれば様々な奏法が現在でも根強く、多くのギタリストたちに愛用されるテクニックとなっています。