バンドブームの草分けの音楽アーティストであるユニコーン

日本の音楽業界が大きな転換期を迎えたのは1980年中ごろのことで、その頃から日本には、それまでにはなかった新しいタイプの音楽アーティストが出現するようになる。それはバンドの一員として活動をする音楽アーティストの増加で、さまざまな音楽ジャンルのバンドがこの頃から日本に現れることになった。彼らの特徴の一つに、自分たちで作った曲を自分たちで演奏するということがあげられ、これは外国のロックバンドのように、自分たちのやりたい音楽を自分で作ることができる音楽アーティストが多く現れるようになったことを意味している。


そうしたバンドの出現によって、1980年代後半から日本では一大バンドブームが起こったが、そうしたブームの草分け的存在になったのが、広島県出身のメンバーで構成された五人組のバンドであるユニコーンである。ボーカリスト奥田民生を中心に結成されたこのバンドは、それまでの日本のバンドとは異なる個性を持っていたことから、デビューしてから徐々にその存在を多くの人に知られる存在になっていく。ユニコーンはボーカルの奥田民生をはじめとしてルックスの良いメンバーが多かったことから、女性ファンにも人気があったが、彼らは人気だけでなく実力も兼ね備えていたことが、その後何十年にもわたって人気を獲得しつづける理由となった。


彼らの特徴の一つに、メンバーがそれぞれ曲を作ることができるということがあげられる。ユニコーンの代表曲はボーカルの奥田民生が作ったものが多いが、それ以外にもキーボードの安部義晴や、ベースのEBIが作った曲の中にも有名な曲がある。また、ユニコーンの曲といえば奥田民生がほとんどの曲でボーカルを務めているというイメージがあるが、実際は他のメンバーがボーカルを担当している曲も多数あり、アルバムにはそうした曲が多く収録されている。ユニコーンは1993年に一度解散したが、それから10年以上経過した2006年に再結成して、現在でも活動を続けている。