音楽アーティストが生き残るには「IT化」がカギ

音楽的なバブル期が残っている90年代を経て、2000年代に入ってからはデジタル化やインターネットの進化が進み、これにより音楽業界のビジネスモデルは大きな変革を強いられました。特にインターネットの発展により、共有・リッピングが進み「CDが売れない時代」へと移行していったのです。そんな、業界不振とも言える現代の音楽アーティストが生き残るには、「IT化」が大きなカギとなっています。

インターネット通信の普及・低価格化、高速化により、さまざまな形のコンテンツが供給されています。「モノで流通する、物理媒体のCD」のみの利益や売上を頼る時代は終わり、iTunesAmazonによるデジタルミュージック(mp3形式など)のダウンロード販売、Spotfyなどの聴き放題サービスなどインターネットを前提としたサービスへと乗り換える音楽アーティストが非常に増えました。

これに加え、FacebookTwitterInstagramなどSNSサービスが大きな力となっています。ユーザーが好きな時に閲覧・チェックできるというネットの特性が活きるこれらのメディアでは、「拡散」という新たな告知力となっているのです。YoutubeやLineによる、サンプル動画の配信や全曲配信などに取り組み、ファン層の獲得に繋げているアーティストも増えています。

こういった、「音楽アーティストのIT化」で要となるのは、コンテンツそのものを販売することで利益を上げるのではなく、コンテンツを配信し広告料など別の仕組みで利益を上げる、というシステムを利用することにあります。代表的なものとして、アフィリエイト広告を張り付けたブログ記事が挙げられます。企業の宣伝をブログ(他者・利用者)が代わりに行うことで、売上の数%の利益を還元してもらうという仕組みです。こういったシステムを活かして、コンテンツはもちろん、コンテンツを媒介して企業から売上を得ることも視野に入れることで、アーティストのフィールドが広がります。

IT化はネットワークを利用することだけではありません。近年、音楽制作(DTM)関連の機材の進化と低価格化に伴い、安価で高品質な音源を制作することが可能となりました(動画も同様です)。こういった技術を修得・利用することで作品作りが低予算、かつ時短できるため、いち早く取り入れていくべきでしょう。